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Time is over 2  

※リアップです。追記アリ。

















『ヨンファくんとは、すごく仲が良いのね?』


彼女はある時、唐突に俺にそう言った。



『そりゃ・・・・・・・メンバーだし彼は気さくな人だから話すこともたくさんあるけど。
 仲が良いって言っていいほどかなぁ。どうしてそう思うの?』

そう尋ねた俺に彼女は、

『だって、いつも彼の事ばかり話してるんだもん。』と、答える。



・・・・・・・・・・・・・・・無意識だった。

仲が良い・・・・・・・・・というか、同じメンバーなのだから一緒にいる時間は長いけれど、これといって突出して仲が良いと周りに言われるようなことは一度もなかったからだ。



『彼は誰とでも仲がいいよ。』



俺意外とも普通に仲が良くて、俺が居なくても楽しそうで。

俺が居なくても・・・・・居なくても・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居なくて、も?



胸の中に浮かんだ小さな疑問符は、続いた彼女の言葉によって消されていった。



『じゃあ、ヒョニが一方的に好きなのね?』


くすくすと笑いながらの彼女の冗談は、慣れてはいたけれど
俺は何故かこの時、何とも言えない心地悪さを覚えていた。

彼女の言葉に、自分の中で湧いた何か。心のなかに小さくて読めない文字の集合体が、ざわざわと動いているようだった。

何て書いてあるのかわからないその文字は、霞んで滲んでちらついている。
焦点を合わせようとすると、別の俺が“やめろ”と止めた。読むな、探るなと、絶対にいけないと、そう言うんだ。


『そんなことないよ。そりゃあ尊敬はするけどさ、男同士で好きとか、そんなの・・・・・・』



ないよ。

ない。ない。


あるわけ、ない・・・・・・・・・・・・・・・・。




『俺が好きなのは、君だけ。』


そう言うと、彼女は花が咲いたように笑った。

薔薇じゃなく、ユリでもなく、もっと小さくて可愛い花。
その例えは花の名前なんて良く知らない俺には言えないけれど、とにかく俺は、

華奢で可愛くて女の子らしい君が、大好きだよ。


・・・・・・・・・・・・・・別れ際にはいつも寂しそうにしてくれる、君が、ね。






















*******




『何?さっきからじーーっと見て。いくら俺がイケメンだからって・・・・・・・・・・・』


・・・・・・・・・・・・・・はぁ。

イケメンじゃないとは、言わないけれどさ。

自分で言っておいて、へへへと照れ笑いをする彼の冗談にもすっかり慣れっこだけれど、


『ヒョン・・・・・・・・・もうそれ、飽きた。』


毎回毎回、言われるこっちの身にもなって欲しい。



『飽きたってなんだよ!ったく。可愛くないな、お前・・・・・・・・・・・・。』

『可愛さを追求してるわけじゃないから、結構です。』

『ほんっとうに、お前ってやつは・・・・・・・。いいわ、うん、そうだね。』



いつもの練習室でいつもの小競り合いに、彼はつまらなそうに唇を尖らせるとまたギターを弾き出した。

変わり映えのしない俺たちのいつもの日常は今日も普通通りで、メンバー同士の練習の合間にくだらない事を言い合って、一日が過ぎてゆく。

そんな見慣れた風景の一幕に、俺は昨夜の彼女の言葉を思い浮かべていた。


・・・・・・・・・・・もしかして。

今の小競り合いが仲が良いってことなのか・・・・・・・・な?でも彼は、

『ミニョク~~』

ほら、皆と仲がいい。


ミニョクめがけて飛びついてゆく背中を見ながら思う。
俺で仲が良いのなら、あのミニョクなんて恋人じゃないか。と。

そう思うと同時に自分の中に浮かんだモヤモヤの説明がつかないまま、彼は俺を振り返ると一言、
『来いよ。』と、笑って言った。



なんでだろう。
彼が笑うと、俺は胸が締め付けられたように苦しくなる。

彼女の俺にくれる柔らかな印象のそれとは違う、何か別の、別の何かがそこにはあって、息が詰まるほど、詰まる、ほど・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・綺麗、だった。





『いいよ。俺は、いい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』


自分で導き出した感想に、俺は自分自身で怖くなってしまって、彼が来いと行った先へは向かうことができなかった。

そしてこの時俺は、彼との間に丁度良い“距離”と言うものを覚えることになる。


俺と彼との間は練習室で立つ、ポジションくらいで丁度良い。

これ以上近い心の距離は不安で、何に不安なのかは全くわからないのに、俺の中の本能的なものがそう言っていた。


手を伸ばせば触れてみたくなるから、両手いっぱいに伸ばしても触れない距離がいい。
近づいて一歩引かれたら自尊心に傷が付きそうだから、行かないほうがいい。

理由はわからないけれど、そうやって保っていないとダメだと思った。

なのに、


『つれない奴・・・・・・・・・・・・・。』


ふて腐れてそう言う顔もやっぱり綺麗で、ずっと見ていたいと思ってしまう俺がいたんだ。



彼は皆と仲が良い。
誰とでもよく話す。

メンバーでもメンバーじゃなくても、男でも女でも誰とでも。


自分に向けられる背中が恨めしい。
つるむことをあまり好まない自分には疎ましい。

だからきっと、こんなに気になってしまうんだ。



『今日さ、また彼女んち?』

『・・・・・・・・・・・・・・どうして?』

『楽器屋、行かないかなと思って。ギター見にさ。一緒に行くなら、お前だろ?』



そう言った彼はいつもの変わりない彼で、
そんな今日もまたいつもと変わりない一日で、普通通りの見慣れた日常のはずなのに。


俺は嬉しかったんだ。

今日は彼が、俺を見て俺を選んでくれたから。


それがなぜか・・・・・・嬉しかったんだ。









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