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EAR FUN ~BLueな僕らの青い夏~ 12  





『・・・・・・・・・・見つけた。』


もう少しで完全に暮れそうな空を背景にして、屋上の彼だけが浮いて見えた。


彼に恋をしたのは見事に一目惚れで、その不思議な存在感に惹かれてしまった自分がいたのだ。だからさっき入れ違いで探し回った時、俺は探し出せる自信があった。

彼は背景に溶け込まずに、俺の目の中にいつも真っ先に飛び込んできたからだった。


帯の結び目が少し乱れていた。

コンクリート製の外壁と揃いの屋上の囲いの上には、色違いのヨーヨーが二つ。夜風に吹かれて不思議な律動を見せている。


後姿からでもわかる耳の後ろの形に、髪型がいつもと違うことが伺えて。
撫で付けたサイドの髪は今日の浴衣仕様なのか、いつものそれとは別の、何か特別なものを感じさせた。

分け目を離れた毛束が夜風に揺れている。

どーん、と、振動する音を数秒後に引き連れて、花火は次々と空に打ち上がっていた。



・・・・・・振り向いて?

でも、振り向かないで。

そう思ったのは、俺の夏の一コマに、浴衣の君と夜空と花火と。その景観を壊してしまうのが勿体なかったから。

そんな君は俺は後ろにいることなんて、これっぽっちも気が付いていないんだ。




『ったく、どこ行ったんだか・・・・・・・・。』


空を見上げてぼそりを呟いた言葉を、音と音との合間に聞いた。

勝手に緩んでしまう頬の内側を噛んで、一人ニヤける自分に喝を入れる自分がなんだか可笑しかった。



一歩、また一歩と、ゆっくりと近づいて、腕を伸ばせばもうすぐ触れるところまで来た時に、君は後ろを振り返る。



『わ・・・・・・っ』


君が完全に振り向く前に、俺は腕の中にその身体をむぎゅっと仕舞いこんだ。

驚いて口をつぐんだ君の吐息が近い。俺の顔の横で吐き出される息はまだ少し乱れていて、下駄を手にぶら下げているところを見れば、きっとここまで走って来たのだろう。


『びっくり、するだろ・・・・・・・・・・』

『足、赤くなってる。』


かみ合わない会話には、普段離れて暮らす二人の間を無理に合わせたせいで出来た歪みみたいなものを感じてしまうけれど

そんなの構いやしなかった、今、ここに君がいるだけで。


俺はそれだけで、それだけで、いい。










*******




一人で花火を見るのなら、誰も居ないどこかで見るのがいいな。

そう思った俺は、自然と足が屋上へと向かっていた。


会場でも、ここへ来る途中の道すがらでも、浴衣を着こんだ男女のカップルばかりが目について
一人めかし込んだ男の自分が虚しくなるのは必然だった。

それでも丁度いい夜風に吹かれれば不思議とすっきり出来て、ここに辿り付いたと同時に見た花火には、そんな自分を重ねて見ることはしなくて済んだ。



『綺麗だな・・・・・・・・』


緑や赤の鮮やかな花火もいいけれど、夜になりたての深い青の空には、シンプルな色味の花火のほうが良く映える。

ドーンと咲いて、キラキラと散ってゆく火薬の縮れに、今日初めて夏の終わりを見たような気がした。


来年も再来年も。今の自分では想像できないようなことがきっと待っているだろう。その横にはお前が居ればいいなと思うのに、やっぱり俺は不安になるんだ。



『ったく、どこ行ったんだか・・・・・・・・。』


愚痴りながら花火を見たのは、恐らく今回が初めてだ。

それだけじゃない。浴衣姿で走ったのもこんなに恋い焦がれた夏も、それから、



『わっ・・・・・・っ』


誰も居ない屋上でこんなときに後ろから抱きすくめられたのも、俺にとって初めてだった。




『びっくり、するだろ・・・・・・・・・・』

『足、赤くなってる。』


交わした会話はすれ違い、どこまで行っても噛みあわない俺たちを物語るようで、なんだか可笑しかったよ。

心と時間の距離を埋めるように、俺たちはしばらくそうやって黙って、花火が咲く夜空を眺めていた。


まだ、もう少しだけ。

今年、最初で最後の、二人きりの花火大会が終わってしまいませんように。


そう密かに願いながら。










*******



『浴衣、着たんだ。』

『あ・・・・・・・・うん、なんとなく?夏、だし・・・・・・・・。』


俺の問いにやけに言い訳がましく返すのは、君の得意の定番だ。

抱き着かれたままの空間に閉じ込められているのだから、もう少し違ってもいいのに。兄貴に向って言うことではないが、


『もっと可愛く言えないの?似合う?とかさ・・・・・・・・。』


口を開けば俺はこんな奴だから、甘えて寄ってきてもらうほうが在り難かった。

無論、君も


『別に、俺が着たかっただけだし。お前には関係ないし・・・・・・。』


こういう人で、だから俺たちの間はなかなか埋まらないのだった。



でも。

『似合ってる。すごく。』

俺は珍しく思いを口に出来たのは他でもない、現実離れしたこの空間のせいだ。


後ろから押し付けた身体に、君がぴくんと僅かに動いて、返した言葉が

『硬くなってる・・・・・・』だったから、俺は一瞬で眩暈を覚える。


彼は確かに、可愛げがない。ないけれど、そういうところだけはなぜかツボばかり押してくる。

お言葉に甘えてわざとらしくグリグリと押し付けてやれば、やめろと言う癖にしっかりと尻を突き出してくる辺り、まんざらでもないようで

浴衣と下着だけしか着けていないから、制服の下の俺の感覚がいつもより生々しく感じるらしい。
着込んだ浴衣の合わせ目から差し入れた手の俺には、興奮の証がありありと伝わってきた。



『自分だって、こんなになってるくせに。』


耳元で囁いた台詞に、はぁ・・・・・・と息を吐き出しながら、妙に意味ありげに合わせてきた視線に俺はまんまとその気になって、暑い吐息や口内も知りたくなってしまった。

耳に掛けた髪の毛が打ち上がる花火の色に染まっているのを見たのを最後に俺は目を閉じて、君とのキスに夢中になった。


柔らかい下唇を噛んで、舌先で舐めたらそれにすぐに絡んできた。唇の外側で絡め合うキスは距離があって、うっすらと目を開ければ、同じように薄目の彼と視線がぶつかる。

高揚した頬が更に俺を夢中にさせるから、歯止めがきかなくなりそうだった。
今ならまだ間に合う・・・・・・と、自分の中で仮定を置いて、彼の出方を伺うくらいは、まだこの時はあったのに。


『んぁ・・・・・・・・っ』


君が。俺の右手にショーツを濡らして、唇の奥で喘ぐから。

解き方もわからない帯を乱暴に崩して、楽になった胸元から反対側の手を差し入れた。押し付けた腰は下から突き上げるような動きにいつの間にか変わっていて、布が擦れる音の下の性器の昂ぶりは更に増した。


『・・・・・・どうする?』

『は・・・・・・・・な、にがっ、』


どうするもこうするもなかった。

二人の目的は一目瞭然。浴衣を肌蹴た時点でそんなことはわかっていたのに、こんなところで行為に及ぶ責任をお互いに押し付け合う。

俺は彼に自身を押し付けて、彼はそれを擬似的な行為に見立てていた。

互いに崩そうとする互いの理性は、こうしている間に相手によって失われてゆくことにも多分、俺たちは気が付いているのじゃないだろうか。








来週は遂に天気予報に雪マークが付いた件!
いっっそいで夏のあれやこれをあっぷ!(笑)
遅すぎて申し訳ないですTT
お付き合いいただけるかちら。

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恐怖の冬休みが近づいて来たTT
北海道の冬休みはまるっと一か月あるんだぬーー!



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category: EAR FUN ~BLueな僕らの青い夏~ 

thread: 二次創作:小説 - janre: 小説・文学

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コメント

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# | 
2013/11/07 00:20 | edit

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# | 
2013/11/07 00:26 | edit

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2013/11/07 01:18 | edit

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# | 
2013/11/07 01:21 | edit

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# | 
2013/11/07 14:43 | edit

よんの色気には目もくれず「正信(←こんな硬い言い方)が一番だった」と初CNを真剣な眼差しで語る娘13歳を持つ、私です。

はげ兄には「一応夫がいるんですよ」←と口を酸っぱくリピートしてます、私です。

兄は背だけがいけない恋をしてるのでは?(ある意味大正解)と心配してます。はは。

立冬ですって!
ぷさんこさん、雪掻きの季節突入←

でもここは青くて熱い夏♡

久々の舐めるカメラワークにドキドキ…背だけが「顔も」じゃなくて良かったです←
サカりそうだったーーー!
背だけの感じ聞く暇ないーーー!

青い子に負けず劣らず、ぷさんこさん大忙しですね。
(「カマキリ」ってワードが出てくるだけでドキッ///)
でも子供達はすぐにオンマをチヤホヤ姫扱いしてくれますから!
(と男の子ママに私も励まされてます笑)
正しく教育されてるし!
一緒にCN!!

あうあう栄養補給しながら頑張りましょう!
私、本日分しかと頂戴しました!!
こまおです♡

ゾンビは色素沈着です←哀 #- | URL
2013/11/07 17:09 | edit

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# | 
2013/11/07 17:51 | edit

Re: タイトルなし

>
もう11月っていう・・・・
でもまだ戻れそうにないわたしTT
あああ。夏なんてもうとっくにおわった件←
復帰したら猛スピードで浴衣のあれやこれあっぷしますm(__)m

>みかさん #- | URL
2013/11/22 10:45 | edit

Re: とうとうデビュー

>デビューwwwwwwwww
いやー感想まってます←

私もその検査はしたことないです、はい。
来年は30なので、ちょっとあちこち検査しようとおもってます、
まずは頭の中を←

ほっかいど、もう寒くて寒くて。
夜に外出て、家の中に戻ってしまったですTT



>ぽ・・さん #- | URL
2013/11/22 10:52 | edit

Re: もとには戻らない浴衣ww

>これからーーーってときに、ばば様が召されて、
そしてノロ。あうあうあうあうあう。

浴衣・・・・いつまでひっぱるねんTT
もう自分が嫌←
時間なんてみんなないのに、どうして私はこんなにいっぱいいっぱいなんだろうTT
要領が悪いんですね、はい。

早く来ないと、肌蹴た浴衣のあの子が風邪ひいちまうよっ
来週に戻る予定で、今日はコメ辺を。

でもなーーんにもできてないから、
ってか、マジで今週末は時間なしTT

福岡チケ届いたっていうのに、まるで現実味なし。。。

>ak・・・さん #- | URL
2013/11/22 10:58 | edit

Re: タイトルなし

> 今週末はあたたかいですね?
でも、来週から氷点下になってるですTT
いよいよ・・・・・な季節。
そして恐怖の冬休み。
ああああ。早くここに戻りたいですTT

暖かくして、かじぇはもうこりごりなので、
気を付けますTT

>よ・・た・・・・・・・・さん #- | URL
2013/11/22 11:01 | edit

Re: (*≧∀≦*)

>若さとは、時にこんなおいたもするのです。←
屋上に限らず、皆様、経験あるかと❤

汗ばむ話を、暖房のはいった部屋でかくという、
全く持って夏の感じがわからない件。←

冬休み
一か月。

ガチです(笑)

>ぷ・・太さん #- | URL
2013/11/22 11:14 | edit

Re: タイトルなし

> 兄wwwwwwww
ある意味大正解←
やーもう、なんて素敵な職場なんでしょう。
裏山しい。
娘たんも、しっかりライブ見てたんでつね、
正信、確かにカッコよかった。彼、よかった///←

わがや、只今一斉にマナティをちやほや風潮にあり、
次男ぐんグレグレ←

あうあう、毎日言ってますw
でも、最近あの子達をリアルに追えてなくて、
浦島なわたしですTT

>ゾンビなあなたへ← #- | URL
2013/11/22 11:54 | edit

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# | 
2014/08/03 07:22 | edit

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2015/03/08 14:52 | edit

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